復興税が創設されたことから、平成25年1月から源泉徴収の実務は変わります。
具体的には、所得税の源泉徴収義務者は、所得税を徴収する際に、徴収する所得税に加えて
復興特別所得税(徴収する所得税額に2.1%の税率を乗じて計算した金額)も源泉徴収しなければなりません。
条文の規定に則した計算
源泉徴収すべき復興特別所得税を「上場株式等の配当金15,210円」を例に条文に則して計算すると次のようになります。
なお、いずれの徴収税額も国税通則法の規定に従って、課税標準及び確定税額の1円未満の端数は切り捨てて計算します。
「復興特別所得税」(課税標準1,064円)1,064×2.1%=22円
所得税及び復興特別所得税の徴収税額は、合計1,086円となります。
しかし、上記のように「所得税額」と「復興特別所得税額」をいちいち計算することは、事務処理上煩雑で面倒です。
そこで、実務では、一度に計算すべく、合計税率(所得税の源泉徴収税率(%)×102.1%)を用いて計算することに
なるものと思われます。
上記例で計算しますと、
7%×102.1%=7.147%の合計税率となり、15,210円×7.147%=1,087円(1円未満の端数切捨て)の徴収税額になります。
1円の違いが生じるが?
事例の上場株式等の配当では、その都度計算と合計税率での計算では1円の違いが生じてしまいます。
これは、国税通則法による課税標準及び確定税額の1円未満の端数切捨てにより生じる差異です。
そこで、復興特別所得税では、いずれの計算によっても差異が生じないよう
課税標準及び確定税額の端数処理に特別な規定を定めています。
つまり、国税通則の規定を適用しないで、課税標準においては1円未満の端数は切り捨てないで計算し、
確定税額にあってはそれぞれの確定税額を合計した上で1円未満の端数を切り捨てる仕組みになっています。
上記事例で確認してみます。
「復興特別所得税」(課税標準1,064.7円)1,064.7×2.1%=22.3587円
合計1,087円(1円未満切り捨て)
結果的には、合計税率を用いて計算できることになっているようです。
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