税務調査減少の裏で急増する「簡易な接触」

 国税通則法の改正以降、税務調査は税目を問わず減少しています。平成25事務年度(平成25年7月~26年6月)の所得税に関する実地調査件数は6万2千件で、前年度から11.9%減少。法人税調査は9万1千件、前年度から2.8%減少しました。相続税調査も1万2千件で2.5%減となっています。ただ、調査数が少なくなった一方で、文書送付や電話を使ったいわゆる「簡易な接触」は急増中です。

 国税庁によると、所得税調査に関して、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に実施する「特別調査・一般調査」は、25年度には4万5693件。資料情報や申告内容分析の結果を受けて申告漏れが見込まれるものを対象に、短期間で実施する「着眼調査」は1万5942件でした。合計6万1635件は、前年度の6万9974件と比べて11.9%減です。

 通則法改正前を境にした調査件数の推移を所得税で見ていくと、23事務年度(23年7月~24年6月)の所得税調査は9万8687件でしたが、24事務年度(24年7月~25年6月)は6万9974件で29.1%の大幅減少となりました。25年度は前述のようにさらに11.9%減少しています。24年度の途中から改正通則法が施行されているため、改正前の通則法の下で1年通して調査が実施された23年度と改正後の通則法の下で1年実施された25年度を比べると、所得税調査は2年で37.5%も減少していることが分かります。

 税務当局はこれまで以上に多様な行政指導手法を活用して調査等を効率化していく方針を示しています。実地調査以外の行政指導手法の積極活用のひとつが納税者に書面の提出などを促す「お尋ね」文書の発送です。

 事実、納税者宅に原則臨場せず、文書や電話連絡、来所依頼に基づいた面接などで申告内容を是正する「簡易な接触」が急増しています。25年度は83万7142件で、前年度の61万2073件から36.8%増加しました。この大幅アップは前年度もみられなかった傾向です。

<情報提供:エヌピー通信社>

2015-02-02 (月) 16:20

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