落語家の笑福亭鶴瓶氏が、司会を務めているラジオ番組で、国税当局の反面調査の手法に苦言を呈しました。鶴瓶氏は過去の税務調査で行きつけの店に反面調査に入られ、知り合いからの信用を損ねた経験があるそうです。
確定申告で提出した領収書が本物かどうか疑われたのがきっかけで、「そんな誤魔化しかたせえへんと誠心誠意説明した」(鶴瓶氏)ものの税務職員の納得は得られず、真偽を確かめるために反面調査が実施されました。鶴瓶氏は「『この領収書は本物か?』と行きつけの店に直接聞きに行った調査官がいたからさすがに怒った。イメージ悪くなるでしょ」と振り返っています。
税務調査では原則として調査対象者自身の会社や事務所、自宅などを取り調べられますが、調査官から疑わしい点があると判断されると、取引先企業や金融機関に対して反面調査が行われることがあります。反面調査に入られるパターンとしては主に、①帳簿書類の保存義務を守っていない、②悪質な所得隠しや多額の脱税の情報をすでに掴まれている、③税務調査に非協力的――といったものが挙げられます。
反面調査では文書や電話、訪問で実施され、調査対象者との取引内容や関係など事細かに確認されてしまいます。鶴瓶氏は、税務調査は税金が正しく納められているかチェックするために必要な仕組みだと認めつつも、「当たり前のように知り合いのところへ調べに行くなっちゅうんですよ。俺の信用がなくなる」と苦言を呈し、もっと納税者に配慮して調査するよう求めました。
<情報提供:エヌピー通信社>
2022-08-20 (土) 9:30