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相続税の課税対象者が倍増

平成27年に死亡した129万444人のうち、相続税の課税対象となったのは10万3043人で、前年の5万6239人からほぼ倍増したことが国税庁の発表で明らかになりました。相続税の〝大衆化〟が初めて数字となって示されたことになります。

平成27年の死亡者のうち、相続税の納税が必要な相続に掛かる被相続人数(10万3043人)の割合は8%で、前年の4.4%から大きく高まりました。これは27年1月に相続税が課税されるかどうかのラインである基礎控除額が「3千万円+(法定相続人×600万円)」に引き下げられたことで、課税対象者の範囲が広がったことが原因です。相続増税の影響で、それまでなら課税対象ではなかった多くの人に税金が掛けられていることが分かります。

また、被相続人一人当たりの税額は前年の2473万円から1758万円に下がったものの、課税総額は同1兆3908億円から1兆8116億円にまで増加しました。なお、金額ベースでみた相続財産の種類の構成割合は、土地38%、家屋5.3%、現金・預貯金等30.7%、有価証券14.9%、その他11%でした。
<情報提供:エヌピー通信社>

2016-10-13 (木)|カテゴリー:コラム

消費税延期されるものされないもの

◆消費税10%は再延期、いつから?
消費税の10%への税率アップは、平成27年10月からだったものが、平成29年4月に延期されていて、さらにこの度、平成31年10月に再延期されることになりました。
ただし、法律の改正を経ないと、延期は実現しません。秋の臨時国会に、今年春に確定した改正消費税法を改正する法案が提出されるものと思われます。

◆再延期の時期はそれぞれ
秋の国会に出される延期法案で確実なのは、消費税率10%への増税なので、複数税率化も同時に延期されることになります。
複数税率化の延期に伴い、来年4月から施行予定であった、インボイス(適格請求書)制度の導入準備開始制度も一定の修正をせざるを得ないことは明らかですが、必ずしも単純に2年半延期されるわけではないと思われます。
さらに、平成33年4月から導入のインボイス番号制度は延期されずに、予定通りの施行になる可能性は大きいです。

◆来年4月からの準備開始制度
今年成立の改正税法では、インボイス正式導入までの経過措置として、請求書には、税率の異なるごとの請求額合計とそれら毎の消費税額を各別に記載することになっています。消費税額無記載や内書き表記は正しい表記ではなくなりました。
単数税率だったとしても、ゼロ税率や非課税もあるので、その部分の微修正を経てインボイスとしての体裁を整える方向で、延期なき施行になると思われます。
なお、記載不完全な請求書の交付を受けた場合は、正式導入までの準備期間に限り、事実に基づき追記することが認められていますが、免税事業者であることが明らかな者からの仕入では追記は認められないので、もはや課税仕入にはなりません。

◆税額計算の方法は積上げ方式
インボイス正式導入前でも、請求書に記載の消費税額が中心になるので、その積上げ額が、仕入消費税・売上消費税の基本になりますが、税率の異なる毎の取引総額からの割戻し計算も用意されています。
売上げ又は仕入れを税率ごとに区分することが困難な事業者に対しては、正式導入までの準備期間に限り、売上税額又は仕入税額の計算の特例が設けられます。①10営業日サンプル割合方式、②仕入割合・売上割合での売上仕入割合推定方式、③50%簡便法などです。

2016-07-01 (金)|カテゴリー:コラム

結婚育児一括贈与特例の利用が伸び悩み

 昨年からスタートした「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例」の利用が伸び悩んでいるようです。高齢者の個人資産を子や孫に移転させ、経済的事情から結婚や出産に踏み出せない若年層の背中を押す効果を期待されましたが、国の狙いとは裏腹に納税者の視線は冷ややかでした。その理由は、同制度の相続税対策としての実効性にあるようです。

 結婚育児資金の非課税贈与特例は、平成27年度税制改正で創設されました。20歳以上50歳未満の子や孫への結婚・出産・育児にかかる資金目的の一括贈与について、受贈者1人あたり最大1千万円(結婚資金は300万円)まで贈与税が非課税となります。非課税の対象となる用途は結婚式代や出産費用だけでなく、新居の家賃、不妊治療費など、範囲は広く設定されています。

 制度は昨年4月にスタートし、12月末までに制度を利用した贈与は3353件余り、贈与金額は約83億円でした。異なる制度のため単純に比較はできませんが、先立つ25年4月に導入された「教育資金の一括贈与の非課税特例」が、類似した制度でありながら開始5カ月で4万162件、贈与金額2607億円に上ったことから考えると、政府にとっては予想外に低調な数字だったと思われます。

 ここまで両者に大きな差が出た理由は、これらの制度を「相続税対策」として見たときに、結婚育児特例が教育資金特例に及ばない重要なポイントがあるからです。

 教育資金特例では、贈与した側が贈与後に死亡したとしても、その時点での残額が相続財産に加算されることはありません。その一方で結婚・育児特例では、受贈者が50歳になるまでに贈与者が死亡すると、その時点での残額が相続財産に加算され、相続税の対象となってしまうのです。

 資金の用途が結婚、出産、育児という人生の各段階でのライフイベントの用途に限定されている以上、贈与されてすぐに全額を使い切ることは難しく、祖父母から孫への贈与では多くのケースで使い残しに相続税が課されることになりかねません。導入の目的も制度の概要も似通った2つの贈与税の非課税制度ですが、「相続税対策」という観点から見たとき、その実効性には大きな違いがあるのです。
<情報提供:エヌピー通信社>

2016-06-15 (水)|カテゴリー:コラム

銀行の暦年贈与支援サービスにお墨付き

 年間110万円までの贈与は課税対象になりませんが、一定期間、定期的に継続してお金を受け渡す契約(定期金給付契約)に同意して贈与すると、無税で財産を引き渡すことができなくなるおそれがあります。例えば贈与初年度に「毎年110万円ずつ10年間移転させる」と同意して贈与した場合は、1100万円を将来的に受け取る権利が発生したとみなされてしまい、課税対象になってしまうことがあるのです。

 都内に本店を置く銀行が、自行の提供するサービスの利用者が定期金給付契約をしたとみなされて思わぬ贈与税が課税されることがないか国税当局に確認したところ、「サービスを利用した贈与は、定期金給付契約の権利の贈与に該当するものではない」との回答をこのほど得ました。

 その銀行が提供するサービスは、財産を渡す人と受け取る人との間の贈与の意思を毎年確認し、合意が得られたときに贈与契約書を作成、預金振替による財産移転をサポートするもの。利用者がサービスを申し込んだ時点で複数年分の贈与につき定期金給付契約が結ばれたと国税当局に判断され、贈与税がかけられるおそれを懸念し、国税当局に事前確認していました。

 これに対して国税当局は、定期金給付契約に関する権利がサービスの利用開始時に発生することはないと回答。毎年の贈与契約によって課税関係が生じるとしました。金融機関の暦年贈与サポートサービスを使って毎年110万円を贈与した場合に贈与税がかからないことに、国税当局が〝お墨付き〟を与えたことになります。財産を渡す人と受ける人との間で毎年贈与に関して合意し、贈与契約書を作成することがポイントであるようです。
<情報提供:エヌピー通信社>

2016-05-28 (土)|カテゴリー:コラム

金融政策のひも理論

 アベノミクスの中心は何といっても金融緩和政策です。金融緩和政策の中核には日銀がいますが、日銀だけでは金融政策は完結しません。金融政策が機能するには銀行が有効に働かなくてはなりません。
 金融緩和政策というと、日銀が紙幣輪転機をフル回転させ、刷り上がった紙幣を民間にばらまけばいいという風に表現されますが、日銀が実際に行うのは日銀に当座預金口座を持つ銀行などの民間金融機関との金融取引に過ぎません。日銀は銀行が所有する国債を買い上げ、銀行の日銀当座預金口座にカネを潤沢に供給しようとします。銀行は日銀当座預金口座にカネを置いておいても金利は稼げませんから、その分の資金が貸出しに向かい、市中にカネが出回り経済が活性化するというのが、日銀が意図しているところです。

 1980年代までは、金融政策は金利政策でした。現在のスズメの涙ほどの預金金利からは信じがたいことですが、当時は預金にも立派な金利が付いていました。金利が付いていたのはマネーに希少価値があったからであり、経済活動を制約しているものといえば、それはもっぱらマネーでした。経済全体が成長し、巷に資金需要があふれていましたから、資金さえ調達できれば、設備投資を行い、生産量を増やし、売上と利益を増加させることができたのです。企業の財務的課題は設備資金や運転資金を確保することにありました。
経済全体が資金不足だった1980年代までは、銀行も日銀から資金を借りなければなりませんでした。そのため、日銀が銀行に貸し出す際の金利である公定歩合の動きが重要でした。公定歩合を下げれば、銀行の貸出しは増え、実体経済は活発化し、逆に上げれば、経済を引き締めることができたのです。日銀と実体経済をつなぐ銀行は、パイプ役として有効に機能していました。
 ところが時代が変わり、経済は成熟してきています。企業の資本蓄積は進み、上場企業を中心に、実質無借金の会社が増加しています。マネーの希少性は薄まり、マネーの価格である金利はゼロに限りなく近づいています。もはや経済活動のネックはマネー不足ではなく、実物の需要不足です。同時に資金提供機関としての銀行の役割も縮小しました。つまり、日銀と実体経済をつなぐ金融政策におけるパイプ役としての銀行の機能が失われてきたのです。銀行に経済を動かすようなかつての力は既にありません。
 金融政策の用語に「ひも理論」というのがあります。ひもは引っ張る時には力を発揮しますが、押してもさっぱり効果はあがりません。異次元の金融緩和政策はこちら側でひもを一生懸命押しているだけのように見えます。大切なのはひもの向こう側にある引っ張る力です。それを作ろうとするのがアベノミクスの第3の矢の成長戦略ですが、その力が弱々しくなっているのが気がかりです。

記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター

2016-05-10 (火)|カテゴリー:コラム

どっちが優先? 遺言と遺産分割協議書

◆年々増える遺言作成件数
相続・遺言に対する関心は年々高まっており、平成26年1月~12月に全国の公証役場で作成された遺言(公正証書遺言)は10年前から約4万件も増加し、ついに10万件を超えました。家庭裁判所で扱われた遺産分割事件も同様に増加傾向にあり、こうした背景も影響していることがうかがえます。故人の遺志をできるかぎり尊重したいものですが、遺言を書いたときと相続時では家族の状況が変わってしまうということもあります。では、遺言の内容と異なる遺産の分割をすることは可能なのでしょうか。

◆遺言と違う遺産分割は可能?
相続人の間で遺産分割の方法を話し合うことを遺産分割協議と言い、その結果を書面にしたものが遺産分割協議書です。
判例では、①遺言によって遺産分割協議が禁止されている場合、②遺言執行者が選任されている場合を除き、遺言と異なる内容の遺産分割協議をすることは事実上認められています。実際、遺言と異なる遺産分割の方法を協議することは珍しくありません。
しかし、だからと言って全て遺産分割協議書が遺言に優先する、という意味ではありません。遺言の内容によっては注意が必要です。

◆遺産分割の方法が指定された遺言
過去、最高裁では、特定の財産を特定の相続人に相続させる内容の遺言の場合、遺言者の死亡によって、財産は直ちに確定的に相続人に帰属するとした判決が行われました(平成3年4月19日最高裁判決)。「特定の財産を特定の人に相続させる内容」とは、たとえば「長男○○に埼玉県××の土地を相続させる」というのがこれにあたります。この場合、その後に行った遺産分割は本来の意味での「遺産分割」ではなく、相続人間の取引として財産が移転するものとされています。
その結果、不動産の相続登記を行う際、遺産分割協議の結果をすぐさま登記できず、まずは「遺言に基づく登記」をした後、「相続人間の取引の登記」の二段階で申 請しなければならないなど、相続事務に支障をきたすことがあります。こうなると手続き費用も手間も二重にかかってしまいますので、注意が必要です。

2016-04-13 (水)|カテゴリー:コラム

民間の労災保険 使用者賠償責任保険

◆使用者賠償責任保険の契約者が増えている
 使用者賠償責任保険は労災認定された事案について、企業の安全配慮義務等を問われ法律上の損害賠償責任を負った場合に備えるものです。
 近年はうつ病等による労災認定件数の増加、賠償額の高額化を背景に大手損害保険会社グループでも2015年の契約件数は前年度比率1.5倍となっています。この傾向は今後も続くと予想されます。

◆今後重要視される使用者責任保険
 労働基準法では業務災害で従業員が病気やけがを負った場合、会社は必要な補償を行わなくてはなりません。その為労災保険に加入し、従業員が業務災害を負った補償は労災保険から給付を受けます。労災保険から給付される事で会社は従業員に対する補償義務を免れる事ができます。
 しかし損害賠償責任を負った時、例えば死亡事故等の場合は遺族が会社に対し損害賠償請求を求める事があります。「使用者賠償責任保険」は労災保険給付を上回る補償の提供や和解金の支払いの為に利用する事ができます。ですから労災上乗せ保険と呼ぶこともあります。
使用者賠償責任保険とは転ばぬ先の杖的役割と言えるでしょう。
 労災保険から従業員に保険給付がされた場合、治療費、休業補償、遺族補償がありますが、慰謝料などは給付されません。労災保険から労働基準法に定められた金額が給付されたとしても、会社の安全配慮義務違反が問われると労災保険とは別に民事上の損害賠償を求められることがあり、最近は損害賠償額も高額傾向にあり、1億円を超える事もすくなくありません。

◆リスクを考え検討を
 中小企業の場合、多額の賠償金を支払う事は経営の危機を伴う事も想定されます。業務災害はどの企業にも起こりうる危険性をはらんでいるとも言えます。但し、保険に加入すればリスクヘッジにはなりますが保険料がかかります。保険料は定額のものから業種、雇用形態、企業規模で違っている保険もあります。これまでの労働災害の発生状況等も考え、費用と効果を勘案して加入を検討することが良いでしょう。

2016-04-01 (金)|カテゴリー:コラム
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