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《コラム》H26.4.1から5万円未満が非課税に 領収書等の印紙税が変わります

◆『領収書』と『領収証』はどちらが正しい?
 『「領収書」と「領収証」はどちらが正しいのですか?』と聞かれることがあります。結論的には、どちらの表現でも通用しますが、民法上の『受取証書』として意識するならば、『領収証』の方がしっくりくるでしょうか。例えば民法では売買契約を行った場合、売手側は商品などの目的物の引渡義務、買手側は代金支払義務が生じます。これらの義務が履行されたとき、すなわち商品を引き渡したときや、金銭を支払ったときは、①二重払いの防止(積極的機能)、②債務を弁済したという証拠(消極的機能)の観点から、相手から『受取証書』の交付を請求することができるとされています。このうち金銭の受取りに関するものが『領収証』といえるでしょう。従ってレシートも『領収の証』を示すものですので、上の『受取証書』の役目はキチンと果たしている訳です。最近のレシートは品名、店名、日付といった詳細な情報が記載されていますので、手書きの領収証より経理処理の判断がしやすいといった場面も多々あります。

◆H26.4.1より領収証は5万円未満が非課税!
 この『領収証』等の印紙税の取扱いについて、従来より記載された受取金額が3万円未満のものが非課税とされていましたが、H26.4.1以降に作成されるものについては、受取金額が5万円未満のものについて非課税とされることとなりました。
 
◆今回の印紙税改正の背景は?
 印紙税は国から見れば1兆円前後の貴重な財源なのですが、近年のIT 化の進展に伴い電子商取引等が増大すると、同じ経済取引であっても文書については課税されるが、電子商取引等については課税されないという課税上の不公平が生じてきました(電子取引やペーパレス化が進んでいない中小企業に印紙税負担が偏りつつあるとの指摘もあります)。これに対して日本税理士会連合会などの各種団体から、時代に合わせて、課税文書の範囲を縮減するなど印紙税のあり方について検討すべきだとする要望が出ていました。今般の改正は、消費税率8%の改正時期であり、さらに10%への引上げも控えていますので、その実務へのインパクトも考えての改正であったのかもしれません。金融機関の振込手数料の料金区分も3万円で変わるものが多いですが、こちらも見直されると良いですね。

2014-05-01 (木)|カテゴリー:コラム

《コラム》課税→免税の移行期

課税→免税のときの棚卸資産

 課税事業者が新たに免税事業者となる場合で、課税事業者期間の末日において所有する棚卸資産のうちに、課税事業者期間中に仕入れた棚卸資産がある場合には、その棚卸資産に係る消費税額は、その課税事業者期間中の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額には含まれないこととされています。
 税抜仕訳の場合には、仮払消費税を消去して期末棚卸資産は税込価額にしておかなければなりません。

課税→免税のときの仕入値引返品等

 課税事業者期間中の仕入れについて、免税事業者になってから仕入値引割戻返品があった場合には、その対価の額の中に含まれていた消費税額は認識しないことになっていますので、全て税込価額で処理します。
 課税事業者期間中の仕入に係る商品等で免税事業者になった最初の期首に有していたものを、その後仕入返品する場合にも、その対価の額の中に含まれていた消費税額は認識しないことになっています。
 前記のような期首棚卸資産を税込価額に処理し直していたことと、つじつまの合う関係になっています。

課税→免税のときの売上値引返品等

 課税事業者期間中の売上について免税事業者になってから売上値引割戻返品があった場合、又は貸倒れが生じた場合や消却債権取立益を得た場合にも、その対価の額の中に含まれていた消費税額は認識しないことになっていますので、すべて税込価額で処理します。
 なお、課税事業者期間中の売上に係る売上返品により増加した棚卸資産については、税込価額への変更処理が要求される期首棚卸資産と同じく、期末まで在庫品として残った場合には、税込価額で期末棚卸資産の経理処理をすることになります。

売上戻り商品を売上げると

 免税→課税の移行期においては、売上戻り品の売上げで、免税事業者期間の消費税額が課税事業者になってから強制的に損金算入され、税込価格仕入額と税抜課税売上額が対応させられる不都合が生じます。
 それに対し、課税→免税移行期では、全てが税込取引で例外なく処理されるので、平仄の合わない不都合は生じません。

2014-02-17 (月)|カテゴリー:コラム

平成26年度税制改正大綱

平成26年度税制改正大綱は、変則的で、12月12日に発表されたものが第2弾です。  
以下、主な改正項目を概観して行きます。

交際費課税の歴史

●給与所得控除は、控除の上限を引き下げ、平成28年分は年収1,200万円超が230万円、平成29年分以降は年収1,000万円超が220万円となります。
●少人数私募債利子は、発行時期に関係なく平成28年1月1日以後に支払を受けるものから総合課税となります。
●新株予約権買戻しによる所得区分は、総合課税に改正されます。平成26年4月1日以後の譲渡から適用。
●ゴルフ会員権の譲渡損の損益通算が廃止されます。平成26年4月1日以後の譲渡から適用。
●相続税の取得費加算については、その譲渡した土地等に対応する相続税相当額とされます。平成27年1月1日以後に開始する相続等によって取得した土地等の譲渡から適用。

法人課税に関する改正

●復興特別法人税が1年前倒しで廃止されます。それに伴い、復興特別所得税額は法人税から控除(還付)ができることになります。
●交際費課税については、資本金の有無にかかわらず飲食(社内飲食を除く)費用の50%までを損金算入でき、また、中小法人については現行800万円と選択適用が認められ、その適用期限も2年延長されます。
●使途秘匿金課税の適用期限が廃止され恒久化されます。
●地方法人課税の偏在是正の観点から、法人住民税等の税率が改正され、一方、国税の地方法人税(仮称)が創設されます。平成26年10月1日開始事業年度から適用となります。

資産課税に関する改正

●医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の制度が創設されます。しかし、持分放棄が前提です。実施時期は未定。

消費課税に関する改正

●簡易課税のみなし仕入れ率が見直され、不動産業は第6業種となり仕入率40%、金融及び保険業は50%に改正されます。平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用。
●課税売上割合の計算において、金銭債権の譲渡についてはその対価の額の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額に算入することとされます。平成26年4月1日以後に行われる金銭債権の譲渡から適用。
●自動車税制ついては、取得税は段階的引き下げ消費税10%時には廃止、軽自動税は平成27年4月以降新車取得分から1.5倍の増税となっています。

2014-01-16 (木)|カテゴリー:コラム

サザエさん一家の銅像が課税免除

提供:エヌピー通信社

 東京・世田谷区のサザエさん一家の銅像に対する課税問題で、都は年60万円の固定資産税を銅像に課す方針から一転、課税免除を決めました。納付済みの15万円を除く45万円が免除されたそうです。

 サザエさん一家の銅像への課税問題は、銅像12体を所有していた桜新町商店街振興組合に対して、都が今年6月3日付けで「固定資産税納税通知書(償却資産税)」を届けたことが発端。この通知書には計算内訳明細の記載がないため、商店街振興組合が問い合わせたところ、銅像12体に対する税額が含まれていることが分かりました。

 世田谷都税事務所の判断は、銅像が商店街のPRのための事業用資産というものです。銅像の取得価額が合計約4千万円で、このうち都と区が補助金約2800万円を支出していました。銅像部分の償却資産額を計算すると、耐用年数45年の建築物として、累計約983万円を納税することになっていました。
 商店街振興組合は、銅像の目的は商店街のPRではなく地域振興であると説明。また、銅像の無償貸与契約を区と締結しました。これらが認められ、課税免除になりました。

 ちなみに、鳥取・境港市の水木しげるロードに設置された妖怪153体や、東京・葛飾区の亀有商店街に立つ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の登場人物14体の銅像には、償却資産税は課税されていませんでした。

<情報提供:エヌピー通信社>

2013-12-09 (月)|カテゴリー:コラム

法定納期限と納期限

◆延滞税に関する原則規定
 国税通則法の延滞税に関する条文には、
①期限内申告書を提出しながら納付国税をその法定納期限までに完納しないとき
②法定申告期限後に未納税金があるとの修正申告書を提出したとき
などその他の場合に、法定納期限からその国税完納日までの期間に応じ、その未納の税額に年14.6%の延滞税を課す、と規定されています。

◆二つの延滞税軽減規定
 ただし、納期限までの期間又は納期限の翌日から2ヶ月間については、延滞税率を7.3%とする、との規定があります。
 さらに、法定申告期限から1年超後の提出となる修正申告の場合は、その法定申告期限から1年を経過する日の翌日から当該修正申告書が提出日までの期間を除いたところを延滞税の計算対象期間とする、との規定もあります。

◆こんな事例ではどうなる
 申告期限後5年目のところで税務調査があり、増差税額のある修正申告を提出し、1ヶ月後に納税を済ませたとすると、延滞税の計算対象期間は修正申告書提出までの期間が1年超なのでその部分は1年に圧縮されます。
 修正申告書提出の場合の納期限はその提出日なので、納期限後1ヶ月の増差税額納付は別途延滞税の計算対象期間となります。

◆どの税率がどの期間に課せられるのか
 国税通則法では、法定納期限以後は14.6%、ただし、納期限以後2ヶ月間は7.3%となっているので、先の例では、延滞税の計算対象期間の最初の2ヶ月と最後の1ヶ月は7.3%で、残りの10ヶ月は14.6%となるのでしょうか。そんなふうに読んでしまいそうですが、「納期限までの期間」は7.3%という規定があるので、本例の場合は全部の期間が7.3%になります。

◆法定納期限と納期限の使い分け
 国税通則法や国税徴収法は「法定納期限」について、その各第二条で定義規定を置いているのですが、「納期限」については特に定義していません。しかし、両者は異なるものとして使い分けられています。

◆措置法に税率の特例がある
 なお、上記の7.3%については租税特別措置法に「公定歩合+4%」(現在は4.3%)とする特例規定があります。
 また、来年からは14.6%部分も含めた大幅な改正が施行されることになっています。

2013-12-05 (木)|カテゴリー:コラム

マイナンバー制度と企業の事務

◆マイナンバー法案が成立
 今年の5月に「行政手続きに特定の個人を識別する為の番号の利用に関する法律」が国会で可決されました。これにより国民一人一人が一つの番号を持つ通称「マイナンバー制度」が実施される事になりました。
 マイナンバーはどのように知らせて来るのでしょうか。予定では2015年秋以降に市区町村長から、住民基本台帳に登録されている人全員に番号を付与し、「通知カード」によって通知されます。外国人の方も住民基本台帳に登録されている人は付与されます。2016年1月から社会保障関係の手続きや納税に利用される事となっています。

◆マイナンバー制度の目的
 マイナンバー制度を行政が必要とする理由は社会保障と税の一体化を推進して国民の利便性と行政運営に必要な経費を削減、それを必要な人に必要な保障を行い、給付と負担の適正化が出来るとしています。現在は国民にマイナンバーを要求できる機関は行政機関、地方公共団体、日本年金機構、医療保険者等に限られています。
 今までの住基ネットは主体が自治体であった事や基礎年金番号は年金の為の番号であった等、国としての統一番号が必要であったという事があるようです。

◆企業が行う事務手続き
 制度が導入されると企業では原則として社会保障と税の手続に提出する調書類にはマイナンバーを記載する事になります。例えば社会保険・雇用保険の取得・喪失や報酬月額や賞与額に関する事項、給与支払い報告書や、源泉徴収票にマイナンバーを記載する事が義務付けられるので、まず本人にマイナンバーを知らせてもらわなければなりません。

◆もう一つの番号 法人番号
 同時期に国税庁長官が法人に対して付番、通知をする番号です。上記のような手続き書類で事業主の名称を記載する際には法人番号を記載するとしています。法人番号は原則公開で民間利用可とされていますが詳細はまだ公表されていません。企業にとって手数はかかるがメリットがあまりない様にも感じられます。国の行政機関や地方自治体の業務効率化を図る為に協力が求められるという事でしょうか。今後、真に国民の為の制度になってほしいところです。

2013-11-25 (月)|カテゴリー:コラム

今年の税制改正 中小の交際費課税事実上の廃止

10%の損金不算入措置が撤廃

 交際費等の損金不算入制度における中小法人に係る損金算入の特例について、定額控除限度額が600万円から800万円に引き上げられるとともに、定額控除限度額までの金額の10%の損金不算入措置が撤廃されました。
 この改正は、平成25年4月1日以後開始する事業年度分の法人税について適用されています。

交際費課税の歴史

 交際費課税制度は昭和29年度の税制改正により導入されました。当時は、朝鮮特需により重要産業や基幹産業の設備投資に支えられた内需拡大で好況を続けており、乱痴気騒ぎの如く交際費の濫費もかなりあったようで、冗費の節約と資本蓄積の促進が立法趣旨でした。資本金500万円以上の企業で、過去年度の7割を基準にそれの超過額の50%を損金不算入とされました。
 昭和31年度改正で損金不算入割合50%が100%となり、対象企業が資本金1000万円以上となり、昭和36年度改正で資本金基準がなくなり全法人が対象となり、定額控除300万円その他を超える額の20%が損金不算入となり、昭和42年度改正で前期交際費の105%その他を超過する部分が損金不算入となり、昭和57年度改正で定額控除方式に戻り、資本金1000万円以下400万円、資本金5000万円以下300万円、資本金5000万円超0円の定額控除の超価額が損金不算入となり、平成6年度改正で資本金5000万円以下法人の定額控除額の10%が損金不算入となり、平成10年度改正でその10%損金不算入が20%となり、平成14年度改正で資本金5000万円以下法人の定額控除が400万円に統一され、平成15年度改正で定額控除の対象法人が1億円以下となり、定額控除の損金不算入が10%に戻り、平成18年度改正で一人当たり5000円以下飲食費が交際費除外となり、平成22年度改正で資本金5億円以上法人の完全支配関係法人の定額控除適用排除となり、そして今年の改正に繋がっています。

中小法人の交際費課税は廃止に近い

 今年の税制改正の交際費10%課税撤廃で、交際費の額が年間800万円に遥かに満たない中小法人では、交際費か交際費以外かの科目判定は意味を持たないことになりました。こういう法人にとっては、交際費課税の事実上の廃止とも言えます。

2013-10-20 (日)|カテゴリー:コラム
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